身近な不便から始まるビジネスチャンスの発見
ビジネスプランを策定する際、どこから始めればよいか悩んでいませんか?ビジネスを始める際、多くの起業家や新規事業開発担当者が直面する最初の難題が、どの市場に着手すべきかを決定することです。そこで今日は、ビジネスプラン策定の要となる「市場特定」のステップをご紹介します。まず、その市場にチャンスがあるかどうかを見極めるには、社会の変化に目を向けることが大切です。例えば、あなたが日常生活で利用しているサービスや商品について、不便に感じることはありませんか?それは、既存の業界が提供しているものが、ユーザーのニーズに合わなくなっている証拠かもしれません。
PEST分析とオープンデータを活用した社会の変化の捉え方
では、どのようにしてこれらのチャンスを見つけるか。まず、私たちの日常を細かく観察し始めます。たとえば、日々の出来事(デイリーイベント)や人生の大きな出来事(ライフイベント)を例に取りましょう。これらのイベントを観察して集めた情報から、人々が困っていること、不満を抱えていることをリストアップします。そして、これらの不満をもたらしている既存業界(弊社ではターゲット業界と呼びます)を探っていきます。「でも、具体的にどうやって?」と思われるかもしれません。実は、一つの有効な手法が「PEST分析」というものです。これは、政治(Political)、経済(Economic)、社会(Social)、技術(Technological)の視点から環境を分析する方法で、社会の変化を捕らえるのに役立ちます。また、国勢調査や労働力調査などのオープンデータを活用することで、より具体的な変化の兆しを見つけ出すことができます。では、ビジネスアイデアはどうやって生み出せばよいのでしょうか。具体例を挙げてみましょう。
高齢化社会が生み出す新たなビジネス機会
近年、日本では高齢者の世帯が増えているといわれています。総務省のデータを見ると、75歳以上の後期高齢者世帯は年々増加傾向にあり、2020年には382万世帯に達しています。特に、そのうちの多くが単身高齢者、いわゆる”独居老人”なのです。この状況を見て、「ここには何か問題があるのでは?」と考えるのがポイントです。高齢者の日常生活やライフイベントに目を向けると、不利益が潜んでいることに気づくはずです。例えば、「転居」の場面を想像してみてください。単身高齢者が新しい住まいを探す際、連帯保証人がいないために家を借りられないという問題が発生します。不動産賃貸業者としても、高齢者の孤独死リスクを考慮すると、入居を敬遠せざるを得ません。ここで、「不動産賃貸とは違う形で、高齢者の住まい探しを支援できないだろうか」と発想を転換してみます。すると、連帯保証人サービスを提供するビジネスアイデアが浮かんできます。このように、社会の変化を敏感に捉え、そこから問題を見つけ出し、既存の枠にとらわれない解決策を考えることが、新しいビジネスチャンスを生み出すカギとなるのです。